台風の進路予測
気温や風など条件を少しずつ変えた計算を何度もして予測しています。そのばらつきで予想の範囲もわかります。
台風の進路予測
強い状態で近づくと大きな被害をもたらす台風の進路はどうやって予測しているのでしょうか。
スーパーコンピュータの中に気温、湿度、風速などの観測データから現在の大気の状態の地球を再現し、熱力学や流体力学などの物理法則に基づいて、少し先の時刻の大気状態を計算し、さらにその先の時刻の状態を計算し、…と繰り返すことで1時間、1日、3日、5日先といった大気の状態を予測します。このように計算を重ねていくことで台風の進路を予測しています。
予報円の決め方
1回の計算は3日、5日先と未来になるほど計算結果の誤差が拡大していくのですが、気温、湿度、風速などをわずかに変えた条件の計算を複数行うことで、複数の予測結果のばらつきや平均を統計学的な手法を使って評価して精緻な予測を導き出しています(アンサンブル予報)。複数の予測結果のばらつきが小さい場合は予報円が小さくなり、ばらつきが大きい場合は予報円が大きくなり、未来の予測ほど大きな予報円になっています。
予報円について(詳細に知りたい方向け)
台風の進路予報は、台風の中心位置が70%の確率で入ると予測される範囲を予報円として示しています。過去3年間の気象庁、欧州中期予報センター、米国環境予測センター、英国気象局の主要な4つの数値予報センターのアンサンブルのばらつき具合に基づく信頼度ごとに、予報誤差の70%が入る予報円半径を統計的に算出しているということです。
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