コラム – 表現と数理
人間が最も美しいと感じる比率といわれる黄金比(1:1.618…)。自然界や建築物に黄金比が見いだされるといわれ、様々な立場から議論が続いています。
図形の性質によるデザイン
数学の世界を表現している切り絵アーティストのある作品は、「ピタゴラスツリー」と呼ばれる図形をベースに制作されています。
ピタゴラスツリーは、正方形の一辺に直角三角形の斜辺が合わさっている構造の繰り返しになっています。三平方の定理(ピタゴラスの定理)という、直角三角形において、斜辺の長さの二乗が他の二辺の長さの二乗の和に等しいという定理から、赤い正方形の面積が2つの青い正方形の面積の和に等しくなります。青の正方形の面積もそれぞれ接している黄色い正方形の面積の和と等しいので、赤の正方形の面積と4つの黄色の正方形の面積の和も等しくなります。この定理を考えて先ほどのデザインを見てみると、各色の面積の和はすべて等しくなります。
また、ピタゴラスツリーのように、部分と全体の形が相似となるような構造を「フラクタル」と呼びます。
数理モデルが作るデザイン
現象の特徴や性質を見つけ、それを数式で表したものを「数理モデル」といいます。数理モデルを洋服のデザインに活かしたドレスがあります。
ある環境における生物の個体数を予測したいとき、毎年同じ割合で増えれば、予測は簡単ですが、実際にはさまざまな条件が関係し、適度に増加や減少をしています。こうしたことを考えて、ある生物の個体数が時間の経過とともにどのように変化するかを二次関数で表す数理モデルが得られています。このモデルに関連して現れる、二次関数が描き出す美しいパターンの模様がドレスのデザインに用いられています。
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宇宙は138億歳
数理を使えば、重力の方程式と観測からこんなことまで分かってしまうのです!
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祝日「春分の日」の決め方
太陽をめぐる地球がいつどの位置にいるかは運動方程式で予測できます。暦の「春分の日」が何日になるかもこうして決まります。ものの動きを数学で表すことは、予測や制御など多くの場面で使われています。
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台風の進路予測
気温や風など条件を少しずつ変えた計算を何度もして予測しています。そのばらつきで予想の範囲もわかります。
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年代測定のマストアイテム
放射性炭素は、全ての生きものの中にあって、死ぬと一定の割合で減ってゆくので、その量をはかると生きていた年代を知ることができます。変化の仕方が分かっているものは、数理を使うとモノサシになるのです。
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湖の魚の数え方
一部の魚に目印をつけておけば、とれた魚の数と、その中の目印のついた魚の数から、湖全体の魚の数を推測できます。一部から全体を知りたいとき、数理はとても便利に使えるのです。
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ウイルスが広まる条件
二次感染で社会に広まるかどうかを数式で判定できます。
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脳のひらめきの数式
創造や共感が生まれる脳の仕組みも数式であらわす研究が進められています。
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薬の量と飲む回数
飲んだ薬が時間とともにどれくらいうすまるのか分かれば、薬が適切に効き続けるために1回の量と飲む回数をどうすべきか分かります。変化のしかたを数学で表せると、予測したり制御したりできるようになるのです。
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「オススメ」のしくみ
好みや前に見たサイトなどの情報から、統計的に選ばれています。
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次の一手をどうするか
お互いの選択肢や損得を数値化して分析できる「ゲーム理論」。有利な手の発見や、社会のルールづくりに役立てられています。数理は、こうした複雑な対象も数学で扱うことができるのです。
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マンホールのふたの形
穴に絶対落ちないように、どこを計っても幅が同じ「定幅図形」の円が使われています。いろいろな図形の性質を知っていると、何かをしたり作ったりするときに、よりよい方法がみつかるのです。
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安全なカーブのカタチ
安全なカーブには、曲がり具合の変化が一定の曲線が使われています。
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乗り換えのルート検索
駅と路線を点と線で表し、そのつながり方をあつかう「グラフ理論」で効率的に探しています。
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新物質の開発
シミュレーションを使うと、ぼう大な実験をはぶいて新物質を探せます。
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人工知能(AI)
発展に数理は深くかかわっています。誰もが使いこなす時代に向け注目です。
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量子コンピュータ
すべてを順に調べると膨大な回数を必要とする問題も、量子の「重ね合わせ」によって全体をひとまとめにして計算すると、大幅に少ない回数で答えを見つけることができます。
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コラム – 人類と数理
木や骨に付けた傷で獲物の数を記録していた太古の昔から、人類は実世界の物事を抽象的な「数」として表す便利さを知っていました。そして、数を巧みに表す「数字」を発明し、数学という学問が生まれました。
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コラム – 表現と数理
人間が最も美しいと感じる比率といわれる黄金比(1:1.618…)。自然界や建築物に黄金比が見いだされるといわれ、様々な立場から議論が続いています。